司法書士法の改正

 遅くなりましたが、令和2年8月1日から司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律(令和元年法律第29号)が施行されています。改正事項は何点かあるのですが、その一つに専門家としての使命を明確にするため、司法書士法1条の目的規定が削除され、司法書士の使命規定が新設されています。

 「目的」より義務といったニュアンスが強い、「使命」という言葉が使われているのは、近年、司法書士の簡易裁判所での訴訟手続きや成年後見、財産管理といった、国民の権利擁護に係る分野での存在感が増していることが背景にあるようです。空家問題、所有者不明土地問題といった、最近、テレビなどでも話題になる件についての対応も求められています。

 

旧)司法書士法一条(目的)

この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保全に寄与することを目的とする。

新)司法書士法一条(司法書士の使命)

司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。